情報のブラックホールで会社は白ける

雪印問題の震源地が北海道の大樹工場で、ここで造った脱脂粉乳から黄色ブドウ球菌の毒素エンテロトキシンが出てきた。
大阪工場ではこの脱脂粉乳を使って低脂肪乳を造っていたのだそうな。これを長野の工場でも使ってコーヒーか何かに入れる製品を作っていたと言う事です。

三菱自動車のリコール隠しがバレた。内部告発からだという。30年近くもこんな事をしていたと言う。
今の経営者達は少なからずTQC活動で苦労してきている筈だ。だから品質問題には甘い筈が無い。
「別に悪気があってしたのではない」のです。と一昔(15年以前)前はこれで通ったのです。これが15年前後前から全く通らなくなった。
終身雇用を前提に、三菱と言う大樹の陰に寄って身の安泰をひたすら願ってきた社員には、時の流れの変化に対応できなかったのでしょう。
三菱自動車のアメリカで、セクハラ問題であれほど痛手を受けていながら、時の流れの大きな変化に気づかずに来てしまった。
こんな事は、誰か1人の人が(だれでも良い・新入社員でも良いのです)「これはまずいよ、ちゃんとやろうよ」と、少し声を大きくして提案すれば、
是正されるべき事と思うが、三菱自動車ではそのような声は何処かの、誰かの処で消えてしまうのでしょう。

大切だが耳が痛い提案は、みんな誰かの処で消える。建設的な提案が何処かで消える職場が出来ている。情報のブラックホールが出来ている。
同じ内容の提案でも、提案する人によって評価が違う環境ができているのです。ここから社内の「しらけ」と「無力感」が始まります。
会社は権威主義になり、偏った意見が通り、「茶坊主」と言われる御仁が調子よく振舞う不健全な集団になる。
内部告発する人がいるのですから、「これはまずい」と思っている人は沢山いるはずです。それらの人の声が、社内の組織を動かす力とならない。
こそこそとものを言う人の 不健全な集団になってしまった。

情報のブラックホールが社内に存在している事は、健全な従業員を白けさせます。
判断力と決断力を殺して育てられた、宦官的管理職は再びブラックホールを形成します。
中小企業では社長がブラックホールになている事が良くあります。情報は隠そうと思っても噴出して行く時代です。
情報のブラックホールとなってしまうような人材を 管理職にする会社の体質を改善するのはとても大変です(パラダイムシフト参照)

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